#87 先入感というフィルターの影響力
五反田整体院の土曜日の朝は早い。
土曜日は、大抵朝から予約の患者さんでばたつくので基本昼ご飯など食べれないのでスタッフ全員で朝食を食べる。
朝7時から営業している近所の居酒屋さんでどんぶり飯をたいらげる。そしてそのまま出勤・・・と思いきや何やら治療院のあるビルの周りに明らかに現場の方と見受けられる集団と、トラックが数台並んでいる。
近くで工事でもあるのだろうと思いつつ、朝の掃除をしていると突然信じられないような轟音と共に、何かがこのビルに打ち込まれている音がし始めた。
慌てて外に飛び出してみると、どうやらその団体の方々の勤務場所は近所とかではなくうちの治療院の入っているこの大力ビルそのものだったのだ。
そうだそうだ、なんか外装改修工事をするとかって言ってた気がする・・・
よくよく考えたらその日が工事開始日だったのだ。初日はどうも足場を組むらしく、組んだ足場を固定する際にビル自体に打ち付けて固定するらしいのだが簡単に言えばビルにドリルで穴を開けているのだ。
そりゃあ、6階の歯医者さんも大変だろうに・・・などと他人様のテナントの心配をしているうちにあれよあれよという間に足場が組み上がり、防音用なのか防塵用なのかは知らないが、この大力ビル自体が完全にネットで覆われてしまった。
どうだろう・・・、ひいき目で見ても、どちらかと言うと“改修”よりも“解体”にしかみえないのは私だけだろうか・・・
事実、何人かの患者さんの方からは本気でビルが無くなると思われていたし。
角度を変えたもう一枚。
やはり解体よりだね。
ちなみにこの工事、6月一杯かかるそうなので患者さんの皆様方には大変ご迷惑をお掛けいたしますが、どうかご了承ください。
で、本題はここから。
土曜から我々スタッフはこの防塵ネットというカゴの中の鳥状態におかれている上に、安全上と諸々の関係で窓が開けられない状況なのだ。
一番最悪なのが窓から見える景色だ。
まあ元から大した景色などこの五反田にはあるわけないのだが、少し晴れた春の青空すらネット越しに見ると最悪に空気の悪い街の景色にしか見えないのだ。
新しいアトレなんか3割増しで悲惨に見える。
どんなにこれがネットがあるからだと、自分に言い聞かしたところで、この絶対的な視覚的影響力の前では理屈はすぐに吹き飛んでしまう。
一歩ビルの外に出ると、いつもの五反田の景色が存在しているのだが、このネットというフィルターをかけられた状態は、想像以上の影響力になりそうだ・・・
同じ景色でも、些細なフィルター越しに見ると完全に印象が違ってくる・・・
またひとつ人間の脳のいい加減さを痛感する今日このごろである。
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