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2005年4月

#35 あの必殺技の威力とは・・・

とある耳鼻科の婆さん先生と、ある若者のやりとり・・・
「あんた声帯が腫れ上がってるよ、こんなになるまでよくほっといたね」
「いや、ちょっと喉が痛いかなぁとは思ってたんですが」
「とにかく“喋りすぎ”だよ、あんた仕事なにしてんだい?」
「あ、すぐ近くで“カイロプラクティック”の治療院をやってます」
「は?」
「あ、いや整体です、整体」
「整体師が声帯腫らしてるなんて馬鹿なこと言ってンじゃないよ!」

いやいや、婆さんシャレじゃあないんだからさ!!

どうも、声帯腫らした整体師こと成木海次郎です。
さて、最近当院にも年輩の患者さんが増えてきた。ひと昔だと我々のような仕事というものは、得てして年輩の方が多いというイメージもあったであろうが、ここのところは30代~40代といった、いわゆる働き盛りと言われる年代の方が多い傾向にある。
とくに当院のように五反田という土地柄、各地から働きに来る方の多い街。おのずと夜は仕事帰りの人でごったがえす。
だがそんな中、お昼過ぎぐらいの時間に年輩の方の来院が増えてきたのだ。
年輩の方の場合、とくに多い訴えの1つに“膝の痛み”がある。
なんらかの原因で膝に痛みを抱え、少し歩くだけで痛むので歩く事さえ敬遠してしまっている。病院にも行ったが痛みは改善せず、結局うちに来た、といった感じだ。
そういった方の大多数の人の太股の筋肉は、痛みと運動不足により
固く縮まっている場合が多い。
その際、じっくりと太股の筋肉の機能を回復させていくと、痛みなく歩行が可能になる事が多い。
ある爺さんなど、3年ぶりにドライバーを使って18ホール回れたと喜んでいたぐらいだ。

『太股の筋肉の影響による歩行困難』
でもこれ何も年輩の方に限った話では無いのだ。別段、年輩だろうが赤ちゃんだろうが付いている筋肉は同じなのだから。
そんなこと言ったって、俺には関係ねーよ・・・とか思っちゃったあなた、
そう、あなた。あなただってあるでしょう?
太股の筋肉を痛めて歩けない状況に追い込まれた想い出が。
そうそれはあなたがまだ小学生の頃の話ですよ。

給食後の昼休み、せっかく確保した校庭のサッカーゴール、いざ使おうと思った矢先6年生軍団が後から来たくせにいちゃもんをつけてきた。
まともにやりあったところで体格の差は歴然、今さら走って逃げたところで捕まるのも目に見えてる状況。絶対絶命のピンチ。
そんな時、不意打ちでやったでしょ
おもむろに相手の外モモめがけて渾身の膝蹴りを。

『ももかん』
地域・地方により名称は異なるであろうが、おそらく誰もが小学生の頃に被害者も加害者も経験したことであろう。
あれ、痛いですよね。今思い出しても痛い。とにかくモモが痛くて痛くて歩けない。膝を曲げられないのだから歩きようがない。
その日一日は片足を引きずる羽目になるあれである。
この『ももかん』、太股の筋肉、特に外側の“外側広筋”という大きな筋肉に対し直接打撃を加える事により筋肉の過緊張状態を引き起こし、膝を曲げる動作を困難にさせるのだ。
また、大きい筋肉な分、命中率も高く、歩行困難を誘発する為その後の逃走の安全が確保されるため各地の小学生の間で伝統的に伝わったいた必殺技なのである。
身体のことを勉強すると、いろんな事がわかってくるものです。
とくに余計などうでもいい事がね・・・

まあ、何も今さら嫌な上司に『ももかん』しちゃえー、とか言う訳じゃないですからね、くれぐれもやめてくださいね。
私が今回言いたいこと、それは“身体意識をもってほしい”ということ。
何気ない動作にも必ず人間は筋肉を使います。立つ・歩く・くしゃみひとつにしてもそうですよ。
ただ、あまりにも当たり前になりすぎて意識しなくなっているだけなのです。
だからといって皆が身体の専門知識を持つ必要は無いですが、小学生の時のイタズラひとつ取り上げてみても、真剣に身体意識を持って思い返してみるとなかなかおもしろいものですよ。
「なぜだろう?なぜかしら?」
そんな小学生レベルの意識で自分の身体を考えてみると、意外に見えなかったものが見えてくるものです。

そんな私が今、真剣に考えていることは、
「しゃっくりの止め方」です。
皆さんが知ってる「しゃっくりの止め方」を教えてください。
メール待ってます。

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#34 しり師匠

もう何年も春物というやつを購入した憶えのない院長の成木海次郎です。
さて、私がやっているこの仕事『カイロプラクティック』でございますが、まあ様々な知識・技術が求められる仕事なわけですが
ではそれをどう身につけたかと言えば、私の場合はうちの治療院の近くにある
「大川カイロプラクティック専門学院」
で習い身につけたものです。
で、よく患者さんや新しくこの仕事をしようと考えている人などに聞かれる事は
「学校で習った事だけでやっていけるんですか?」

・・・まあ、聞かれて答えるのもなんだかなぁと思ってしまうような質問だが、この仕事に限らずどんな仕事だってそんなに甘いもんじゃあないでしょ。
こないだテレビでみた新宿かどっかのホストクラブの№1の人の言葉を借りれば
「何事も経験です」
さすが、どの世界でも№1の人ってのはいいね、ほれちゃうね。
まあとにかく、やはり日々患者さんを相手に真剣に仕事に打ち込む事が技術向上につながるわけだが、
そんな中でも特別な存在になる患者さんに出会う事もある。
私にとっては“しり”の事はその男に教わったといっても過言ではない。まさに“しり師匠”
ちなみにしりしりって小学生みたいに書いてますがお尻、臀部の事です。
そしてなにも個人的な嗜好の話じゃないですよ。
臀部の筋肉についての事です、誤解のないように・・・
前置きが長いですが今回はその“しり師匠”の事を書きたい。

その男、実を言えば大学の時の同級生で学部も学科までも同じであった。その上高校まで同じで突き詰めると中学も同じ。
ここまで同じだと気持ちが悪いが。
といっても高校まではお互い名前こそ知ってはいたが・・・ぐらいの間柄。
まあ、私が在学してた高校がA組からM組の13クラスもあるとんでもない高校、しかも全員男子というから正に鉄格子のない少年院みたいなとこだったのでしかたがない。
だからといって、私がこの五反田で仕事をし始めてから治療院に来てくれた、という一般的な流れなわけでもない。
彼と大学卒業後、数年振りに再会したのはなんと私が修行時代に勤めていた神奈川県の逗子の治療院でなのだ。
逗子に行く事が決まった時に、そこに通っている名物患者さんの一人に私と同い年ぐらいの日芸出身の人がいるよと言われていて、いざいってみると、のちに私の“しり師匠”になるその男がいたのだ。
幼なじみということもあり私が担当することになったのだが、
その当時師匠はCMの撮影スタジオで働いており、とにかく身体を酷使するためひどい腰痛に悩まされていたわけだが、
私は、学校で何度も何度も練習して身につけた技術にそれなりに自信をもっていたので
「よし、ここは昔のよしみでなんとかしてやろう」と施術に臨んだのだが、
おしりの筋肉をやりはじめた時、師匠が一言

「ぜんぜん押してる場所違うぞ」

ショックだった・・・
自分ではきちんとやっていたつもりで、できた気になっていたが実は全く原因になっている場所に届いていなかったのだ。天狗になってた自分が恥ずかしい。
そこからは、師匠の手ほどきが始まった。
「違う、そこじゃないもっと右上・・・そう、そこ!!」

「その押し方じゃただ痛いだけ、効いてない!」

もうどっちが先生だかわかったもんじゃない。間違いなくカーテンの外にいる人はどちらが先生の声か聞き間違えるだろう。
とにかくリアルな反応が返ってくるのでシビアだが確実だった。
師匠曰く、
「ほんとに腰が痛い時は“おしり”をやらないと良くならない」
と、実体験に基づいたありがたい言葉を授けてくれた。
しかも師匠、本業の方は相変わらず過酷な様子で来るたびにボロボロの身体を引っさげて来院し
「どうだ!すごいだろー」とか言っちゃうお茶目な一面もある。
お陰でといいますか、師匠に鍛えられたせいで手技のレベルも格段に上がった。
その後師匠はスタジオでの仕事からパソコンでの編集作業に変わったため、肩こりと頭痛の手ほどきも加わり様々な体験を授けてくれた。
まあ元をただせば、ただの同級生なのだが彼に教わったものは大きい。逗子を離れ五反田の地に移った今でも師匠は、また新たにボロボロの身体を引っさげて治療院にやってきてくれる。
まるで手土産を持って訪ねてくるかのように・・・
世の中、人の繋がりがどういう奇跡を生み出すかわかったもんじゃない。
数年前に、大学の実習で映画の世界にいた二人が“尻だ尻だ”と叫んでいるんだからさ、これは細木数子でも予言できまい。
そんな大恩人な師匠だからこそ、施術後に私は毎回必ずこの言葉を伝えるのだ

「では本日の料金は5,250円になります」と・・・

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#33 断線

昨今、ブログが世の中に浸透し、毎日いろんな方々がきちんと更新していくなか、ぶっちぎって更新をしてませんでした院長の成木海次郎です。
のっけから言い訳するのもなんなんですが、3月のある日、なんの前触れもなくインターネットがつながらなくなったんですよ。
まあ、正確に言いますと前触れ的なのはかなりいろいろあったのですが、無視してきてたら案の定といいますか・・・
前回のコラムで書いてた事は自分に降りかかる悪夢を予言していたんじゃないかと思うぐらいで怖いし情けない。

思い起こせば数ヶ月前、いかにも“営業”という雰囲気満載の男が治療院に来た。その男、開口一番
「電話回線を今のNTTさんから“おとく”なものに変えませんか?」と言い出した。
そもそも、この時点から気づけばよかったのだ。今まで自分の人生の中で“おとくです”なんて言われて本当に“おとく”だった事などただの一度もありゃしないくせに。

「とくにそちらで変更するような事は何一つないですから」
あらそうなんですかーぐらいの気持ちで承諾した自分が情けない。
タイムマシンでもできたら真っ先にその時の自分をぶんなぐってそのあと入り身投げしますよ。
とにかく、あれよあれよという間に話は決まり、その男は去っていった。
それが、その男をみた最後だった・・・

そして3月末、回線切り替え工事の日、忘れもしない3月22日ですよ、なんの物音一つせず(そりゃ回線切り替え工事は別の所でやりますからねぇ)NTTから、その例の“おとく”なものに切り替わった瞬間、インターネットが使用不可能になったのだ。
そりゃもうパニックですよ、正直サイバーテロかと思いましたよ。
朝一のメールチェックの時にはつながっていたのに昼前には音沙汰なしですよ。
あわてふためく中、スタッフの一人が私にすっと書類を差し出してきた。それは例の“おとく”なやつの書類。
そこにはよく見るとこう書かれてあった。

『NTT加入電話に加入されており、ADSLサービスをご利用中の場合、本サービスへのご加入によりADSLサービスはご利用いただけなくなります』

って、おいおい!聞いてないよー!!
ここまできてたらもう後の祭り、アフター・フェスティバルですよ。
すぐに問い合わせて確認したところ、契約の際にその説明があったはずだとか言いはじめる始末。しかも営業にいってるのは代理店の人間なので確認できないとかなんとか・・・
すぐにNTTに戻す手続きを行ったが、回線が戻るまで1週間かかる羽目になった。
その期間はもう面倒くさい毎日、わざわざ系列の他の治療院や近所にある母校の事務所に行きパソコンを借りてメールをチェックする
日々。
学院の先生からは
「よかったねー、コラムの新しいネタができて」などと緊張感のかけらもないことを言われた。私は別にネタの為にトラブル起こしてるわけじゃないですからね。
しかし誤解の無いようにしておきますが、なにもその“おとく”な電話回線が悪いわけではないですからね。
悪いのは説明をきちんとしなかったその営業マンと、
なにより軽い気持ちで電話回線を変えた院長のせいですから。
この一件でご迷惑をおかけしました関係各位の方々、ほんとすみませんでした。
以後、何事も思い付きで行動するのは気を付けます。
なんだか今回は反省文で終わりましたが、次回以降のネタは控えてますから、また4月からも長々と書いていきたいと思いますので。

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