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2004年11月

#26 きんぴら

インターネットというものが世の中に普及したお陰で、五反田近辺以外の方の来院も増えた。お世辞にも近いですねとは言えないような場所からいらっしゃっていただく患者さんも増えてきた。
そこには近くの患者さんとは少し異なる、独特のドラマがある。
 
 こないだから来院し始めた患者さん、その方は茨城県からわざわざいらっしゃってくださっている。
仮に『茨城の母』とすると“母”は、長年に渡る首・肩のコリと頭痛に悩まされ続けていた。当院に来る前にも、地元の数ヶ所にもわたる病院に通院していたがどこに行って検査をしても原因不明としか言われない、そんな状況であった。
私自身この仕事をする上でひとつ意識していること、
それは『初めて出会う患者さんの第一印象をしっかりと覚えておくこと』だ。
茨城の母の第一印象は、パッとみてすぐ、
“疲れきっているな・・・” そう感じた。
おそらく元々は非常に元気のある方であったのだろうが長年の身体の不調に加え精神的にも疲労しきっている、そんな感じであった。
しかも、初回来院時はご主人とお嬢さんも同伴しており、まさに一家の命運ここにあり、といったところ。ものすごいプレッシャーであった。
とは言え四の五の言っても始まらない。とにかく元気になってもらいたい、そう思い施術を開始した。
茨城の母、本人は全身の筋肉が固いと言っていたが触ってすぐに私が感じたのは
“全身の筋肉の力の抜き方がわからなくなっている”
ということだ。
自分自身ではいれているつもりのない力が入っている状態、実はこの状態の人というのは現在来院されている方にも非常に多いのだ。これはものすごく身体に負担がかかる上に本人はそんなつもりもないのでまったく気づかないという厄介な状態なのだ。
なので、その点を話しつつ施術を進めていった。
自分自身で、身体に負担をかけ続けていることに気づけば何もそんな事はしないもの、“茨城の母”の違和感は徐々に軽減していった。

そんなある日、数回目の施術中に母から不意にこんな話がでた・・・

『最近、きんぴらが家で作れるようになったんですよ・・・』

母曰く、首・肩の慢性的なだるさのせいで台所に長時間立つのが苦痛で、手間のかかるごぼうはあまり調理したくなかったのだ。
「私も家族もきんぴらごぼう大好きだったんですけどねぇ、今はやっと食卓にだせるようになりましたよ・・・」

私達の仕事、カイロプラクティックはもちろん資格もなければ、保険もきかないものです。
ですが、地道とはいえ、身体の不調で悩んでいらっしゃる方に対して確実に何かプラスに働くお手伝いができているなと思えた瞬間であった。

“茨城の母”の家に『きんぴらと笑顔』が戻ってきた。
まずはこれでいいのではないか・・・
そして私自身も元気をもらえた、
いい仕事させてもらっているなと再確認できた一日であった。

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#25 うっちゃり電車男

久しぶりに実家に電話をしたら、オレオレ詐欺に間違えられた院長の成木です、どうも。
のっけからなんですが、つくづく人間という生き物は環境に適応する能力の高いものです。それは逆に言うと、刺激がなければその能力とはみるも虚しく衰えていくもの・・・

私は現在、職場である治療院が偶然、今住んでいる家から近い所にあるので毎日自転車で通っている。
その前は神奈川県の逗子の治療院に通勤していたので電車とはいえ混み具合といったら、せいぜい真冬の平日のお台場といった具合である。たいしたことはない。
そもそも私自身、思い起こせば絵に描いたような「満員電車」というものにはここ何年と乗ってなかったのである。
今日はそんな男のお話しである。

数ヶ月振りに横浜の実家に帰り、朝8時に東横線の実家の最寄り駅に来て愕然とした。先日オフの日に行ったディズニーシーよりもはるかに上回る人の量・・・
「なんてこった、ミッキーより東横の方が上だったとは・・・」などとくだらないことを考えながら来た電車に乗り込んだ。
数年振りの満員電車。見わたす限りの人、人、人
来日したての外国人ばりのカルチャーショックであった。
よく患者さんが「毎朝通勤の時、電車で鍛えてますから」という発言に対し、「そんなのは鍛えるうちになりません!」と一喝いた自分が恥ずかしい。あれは本当だったんだと痛感していた。
とはいえ、おそらくこの混み具合も、うちのスタッフの古川が愛用している埼京線とやらに比べたらかわいいものなのであろう、いわゆる身動き一つできないというわけではない、が、この状態がのちの悲劇を生む原因となった。
そういえば、『最近の電車は危ない・・・』そう、痴漢に間違えられてしまいやすいと聞いた事がある。ただでさえ、普通にしていておもしろい事に巻き込まれやすい体質、これは用心にこしたことは無いなと思い自分の周りを見回してみた。近くにおとなしそうな女子高生が一人いるぐらいで、とくに女性が多いという訳でもないので平気かなと思いながらふと気づくと、みんなフラフラしてないのだ。おや?と思いよく見てみると皆さん、うまい事、朝の満員電車の中で無意識にきちんとバランスをとっているのだ。
体重の荷重移動、身体の各部のポジショニングなどこの限定された空間の中で皆さんすばらしい身体能力を発揮している。
自慢では無いがけっこう運動神経があると自負していた私が一番不安定だった。
人間の慣れというものはすごいものだなと改めて感心していた瞬間、電車がぐらついたのだ。
ものすごくたいした事のない揺れ、日々電車で通勤している人達にとってはなんてことのない揺れなはずだ。その証拠に誰一人動じる者などいなかった、ただひとりの男を除いては・・・
気がつくと、その男はおもいっきりバランスを崩した。

「みんな避けてくれぇ!!」

心の中で大絶叫、
崩れゆく男、避けていく人達、そして事態は最悪の方へ・・・

『ゴンッ』
という鈍い音の後に広がるのは、身長180cmの男が女子高生をドアとサンドイッチしている光景であった。
肩でほっぺを潰しちゃいましたよ。
もう1駅区間中、謝りっぱなしでしたよ。
途中から、はた目には

「痴漢した男が発覚を恐れて平謝りしている図」

にしか見えないのではないか、などと余計な事を考えながら。
もちろん、そんな“うっちゃり電車男”には何の発展性もありませんでしたよ。
いろんな意味で慣れとは怖いものだと、そして満員電車の苦労を味わえた一日の始まりであった。
明日が勤労感謝の日でよかったよ。

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#24 みんなジャミラ・・・

調子にのっているうちに連発更新を狙っている院長の成木です。
さてまず先日みた新聞記事より・・・

『日本人の体形、10年ぶり大規模調査--1万人を3年がかり /大阪』

 ◇若い女性は丸み帯び、男性は逆三角形に--「寸法と実態が合わない」つり革や便器はより高く
 頭のてっぺんからつま先まで、日本人の体形を計測する調査が大阪市内を皮切りに始まった。若者を中心に日本人の体形が変化してきたためで、全国で約1万人を測る約10年ぶりの大規模調査となる。3年がかりで計測されたデータはコンピューターで処理され、JIS規格見直しの基礎資料にもなる。
 計測を行っているのは、経済産業省の委託を受けた「人間生活工学研究センター」(中央区)。92~94年にも全国の男女約3万4000人を対象に調査を行ったが、ここ数年、衣料品や家電メーカーなどから「寸法と実態が合わなくなってきた」という声が大きくなっていた。
 同センターのデータを商品開発に生かしているオンワード樫山によると「若い人の体形は女性は丸みを帯び、男性は逆三角形になった。
 JR西日本は身長の伸びに注目。「新規の車両を導入する場合、つり革の高さを高いものに変えている」。便器メーカーのTOTO(北九州市)は「従来の便器の高さは37センチが主流だったが最近は、足の長い若者やひざを曲げにくいお年寄りが増え、45センチになった」という。
 
と、まあ日本人の体型とやらが変わりつつあるらしい。実際私自身
日々いろいろな方の身体をみて触っているのでその通りだなと思う。
しかし、気になる表現としては、「男性の逆三角形化」という点・・・
 
う~ん、本当か?そこで言う逆三角形というのは、運動不足と、肩と首を動かさない事からくる筋肉の緊張なのではないか?
もう少し解りやすく言うと、両肩が上がっちゃてるんですよ、皆さん。気づかないうちに。
ではここで私なりに体型の変化を分析してみようと思う。
まず、一日の大半をPCの前に座り、腕を机にのせてキーボードを叩くかマウスを使う以外使用しない、肘より先しか動かさない為に肩の筋肉は硬直。また、緊張やストレスから首の筋肉も動かなくなり首が短くなっていく。
肩が上がり首が短くなっていく人がふえている・・・

ん・・・?肩が上がり、首が短くなると・・・

あ、ジャミラだ!!

ジャミラ・・・  ウルトラマン第23話『故郷は地球』に登場したあのジャミラだ。
ピンとこない若者読者でも小学生の頃にトレーナーかなんかの襟を引っ張り上げて顔だけだした経験が1度はあるであろう。その元祖がジャミラなのだ。
この怪獣ジャミラ、怪獣とは言っても元々はれっきとした人間だったのだ。私自身うる覚えなので間違っていたら申し訳ないが、たしかフランス人かなんかの宇宙飛行士がどこぞの星に不時着し、運が悪いことにその星には水も空気もなく、そこで生き延びる為に怪獣になってしまったとかそんなストーリーだった気がする。
正直な話、今このコラムをデスクワークの合間に読んでいる方、
あまり笑えない話じゃないのではないですか?
劣悪な環境を生き抜くためにいつしか肩に力が入り過ぎてしまった上に、その力の抜き方を忘れ、いつしか力が入っていることにすら気づかなくなってしまってはいませんか?
人間は驚くほど環境に身体を適応する能力の高い生物です。
ですからほとんど毎日座って動かずに生活する環境に長い事いれば
身体もおのずとそれに合うような状態に変化していきます。
ですが、我々も動物の一種、やはり動くようにできているのです。
「動かずにいて身体に痛みが出る」これは当たり前といえば当たり前な事なのですよ。
動物です。動きましょう。
冗談抜きに、あと100年ぐらいしたらみんなジャミラになってしまってるのではないかと今から心配な院長でした。

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#23 すみませんでした・・・

「昔はよく体を“定期的”に動かしてたんですよね、でもある時から“なんとなく仕事がバタバタしてきちゃって”運動しなきゃしなきゃなんて思ってた時期もあったんだけど“気づいたらすっかりしなくなっちゃってましたね”・・・・・・・・

わかる、わかりますよその気持ち。
今の私には痛いほどよくわかりますよ!!
さあ、いきなり開き直りから入りました院長の成木です。
どうもご無沙汰しておりました。患者さん、関係各位の方々、私の友人関係の人までもが
「いいかげん更新してよ!」的なメールを数多く頂きまして、
また一部では、私の病気説・怪我説なども飛びかいましたが、
まったくもってそれはガセです。理由は院長のサボりでした。
すみません、本当にすみません。10月から定期的に更新とか言っておきながらいきなりのドロンでしたからね。
ドロンズですよほんと。
今後は、これからはバリバリ更新していきますので今後とも
治療院共々宜しくお願いします。

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