#19 患者になってわかること
コラム更新が遅いと各方面の方からダメだしをされまくっていますので、10月からは定期的な更新を検討中の院長の成木です。
カイロプラクティックという仕事は、(おっと珍しく今回は真面目な話か・・・?)予防医学の立場からも非常に有効的です。身体に痛みや違和感がでる前にあらかじめ負担を取り除き、対応できる身体づくりをするにはもってこいです。
そういった点を、来院された患者さんに施術をしながら毎日のように話しているわけです。「日頃の心がけが大切ですよ」
とか
「痛みが出る前に来るようにしなきゃ」
だの
「ほっておいて良くなるものじゃないからね」
などなど、日々患者さんに言っている訳ですよ。もちろん、私自身は自分の身体の管理は徹底していますよ。適度な運動、適度な睡眠、仕事中の水分補給に至るまで身体の事に関して
は完璧ですよ。
やだなぁ、だってプロですよ。身体に関しては。身体の事はきちんとしてますよ・・・さて話は変わりますが、なぜコラム更新が滞っていたかというと、
最近わたし・・・ 歯が痛いんですよ。
いやー右の奥歯が痛いのなんのって。「日頃の心がけが大切ですよ」
たしかに夜はお酒呑んじゃうといつも意識が戻ると朝だから全然磨いてなかったりする気がするし・・・「痛みが出る前に来るようにしなきゃ」
正直な話、ずいぶん前から痛かったですよたしかに。でもまあ気のせいかなーなんて思ってたし、ほらそのうち気がつくと痛みなくなったりしてたし・・・「ほっておいて良くなるものじゃないからね」
ですよね・・・自分で言ってるしね。はいはい。
という事で歯医者に逝こう、いやいや行こうと思い立ったのはいいのですが、さてどこの歯医者にいって良いやらさっぱりという有様。
とりあえずインターネットを開いてみたらまあ、でるわでるわ。
当院の近くの東五反田に絞ったところで数多くの歯医者が存在しているのだ。
いやいや、初めてうちの治療院に来てくださっている患者さんの気持ちが解りましたよ・・・「どこ行っていいかわかんないっすよ」
その上、私自身思い返せばかれこれ4,5年は歯医者に近づいてもいないうえに、幼少のころ大人の歯(永久歯とか言いましたっけ?)が出揃った後に意味のない歯が生えてくるからその前に抜いてしまおうという正に意味不明な事態に陥り、大学病院か何かで手術をしたという暗い過去の持ち主なので、正味な話、大ッキライなのですよ、歯医者。
とは言えさすがにそんな事も言ってる余裕もなく、痛みを紛らす為にやたらと患者さんに話かける日々が続き、こりゃ本気でまずいぞと思った時、たまたまある患者さんから当院近くに良いという評判の歯医者さんを紹介していただいたのだ。
切実に、自分がこの仕事をしていて本当に良かったと思えた瞬間でした・・・
なので早速予約の電話をして行く運びとなったのだが、
もう入って待合い室の段階で緊張しっぱなしであった。
独特のあの歯医者の匂い、雰囲気、BGM。
きっとはじめて当院にきて「つうかカイロプラクティックってなんなの?」なんて思いながら待ってる人なんかもこの状況と同じぐらい緊張しているのだろうなと思い、自分の治療院をもっと和やかな雰囲気にする努力をしよう、などと思っていると
「成木さ~ん、奥にどうぞ」
きたきた、きたよ。いよいよ奥に入る時が。
中に入り例の独特の治療台に横たわっていると、待てど暮らせど誰もこない状態。ピンク色のへんてこなエプロンみたいなのをつけられたまま放置されていると、よく見ると反対側の奥の治療台で先生らしき人と数人の助手が群がっていた。
ついたてのような物があるのでよくは見えないが、時より見えるのが、治療台の患者さんがやたら足をバタバタさせる様なのだ。こりゃあ・・・えらいとこに来てしまったかなぁと感じつつ待っていると、どうもお隣さんの治療が難航しているらしくかなりの時間が経っても終わる気配がないので、こちらも午後からの自分の患者さんが待っているので日を改めようかなと治療台を立とうとした時ちょうど向こうも終わったらしく、先生らしき人がこちらに来た。
先生はだいぶ手こずっていたらしく、100m走を走り終えた人ばりに息をきらせながら
「お待たせしてすいません、インプラントの手術で時間がかかりました・・・」
ほとんど「ぜえぜえ」としか聞こえないようなトーンで早口に言われたのでビックリしたが、一息ついてからの先生はテキパキと動き出した。
きちんと私の話を聞いてくれ、長年にわたる歯に対する体たらくな態度を叱る事もなくきちんと現状説明とこれからの事を話してくれた、カタコトの日本語で・・・
ちょっとびっくりしたが先生は日系の方らしかった、が治療は本当に丁寧にしていただいた。
少しでも痛いと授業参観の日の小学生並に手を挙げ続ける私の態度にも紳士に応対してくれた。
私の長年の歯医者否定主義の心は氷のように溶けていったのだ。あたり前のことだが、痛みや違和感などで不安になっているというのは、正にうちの治療院を訪れようと思った方そのものなのだなと、カイロプラクティック自体あまりよくはわからないがこの痛みをなんとかして欲しいと来院する人そのものだと。
わかってはいたつもりであったが、あらためて『患者さんの気持ちになって施術を行う』
という基本中の基本を、半べそをかきながら思い返す事ができた。
歯が痛いのもまんざらでないな、などと思いながら・・・「あっ、先生痛いんで麻酔の追加を・・・」
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